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薄暗い路地の奥に、忘れ去られたように佇む古い図書館があった。その名は「囁きの図書館」。埃を被った窓ガラスは、内部の秘密を固く守っているかのようだった。
主人公のエミリーは、好奇心旺盛な歴史学者で、古文書の調査のためにこの図書館を訪れた。扉を開けると、カビと古い紙の匂いが混じり合った独特の空気が彼女を包み込んだ。書架には、背表紙が色褪せた本がぎっしりと並び、まるで時間が止まったかのようだった。
エミリーが書架の間を歩くと、微かな「囁き」が聞こえてくることに気づいた。最初は風の音かと思ったが、それは明らかに言葉の断片だった。「…失われた…」「…真実…」「…鍵…」。
彼女は囁きの源を探し、最も古く、最も奥まった書架へと導かれた。そこには、他の本とは異なり、何のタイトルも書かれていない、黒い革張りの小さな本が置かれていた。手に取ると、囁きは一層大きくなった。
本を開くと、中には文字ではなく、複雑な幾何学模様と奇妙な記号が描かれていた。エミリーはそれが古代の暗号であると直感した。数日間にわたる研究の末、彼女はついにその暗号を解読する手がかりを見つけた。
暗号は、図書館の地下に隠された秘密の部屋への道を示していた。その部屋には、この世界の歴史から抹消されたはずの、ある古代文明の真実が記された膨大な記録が保管されていたのだ。
エミリーは、囁きの図書館が、失われた知識を守り、それを解き明かすに値する者だけを導くための存在であったことを知った。彼女は、その真実を世に知らしめることを決意し、図書館の新たな守護者となった。
そして、今日も図書館の書架からは、微かな囁きが聞こえてくる。それは、新たな探求者を待つ、知識の呼び声だった。

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SSSS Manager

個人的に気になったことの備忘録を発信中。Web制作、ブログ運営、資産運用など。

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