0. 株の世界へ一歩踏み出そう
世界一わかりやすく「株の仕組み」を解説します。
「株って難しそう...」
「投資ってギャンブルじゃないの?」
そんな風に思っている方のために、身近なケーキ屋さんの物語で紐解いていきましょう。
1. ケーキ屋さんを始めたい!(株式の基本)
例えば、私の妻が「ケーキ屋さんを開きたい!」という夢を持ったとします。
でも、お店を出すにはお金がかかります。自己資金だけでは足りないので、誰かに借りたい...。
そこで、お金持ちのお姉さんに相談します。
「お金を貸してくれたら、お礼にこのお店の『株式』の一部を渡すよ!」
これが株式投資の始まりです。
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お姉さんは、お金を出す代わりに「株」という権利を受け取ります。これは「借金」ではなく、「出資」です。
お店が儲かれば、その利益の一部をもらえたり、お店の価値が上がれば株の価値も上がります。
2. 株券ってなに?(権利の証)
「はい、これが株券だよ」
妹はお姉さんに株券を渡します。
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株券は、**「あなたはこのお店のオーナーの一人ですよ」**という証明書です。
これを持っていることで、お店の利益を受け取る権利などが生まれます。
3. なぜ全部渡さないの?(経営権のお話)
ここで気になる質問です。
「お店の権利(株)って、いくつあるの? 1つしかなかったら、お姉さんに渡した時点で全部お姉さんのものになっちゃわない?」
これは重要な観点です!
実は、お店の権利は最初から細かく分けられているんです。
例えば、このお店の全権利を100カットのホールケーキだと想像してください。
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- 最初は妹が全部持っている(100株):お店を始める前は、100%妹のものです。
- 一部を渡す(30株):「100万円出してくれたら、30カット分あげるね」。妹は70株持ったままです。
なぜ全部渡さないのか?
もし50株以上(過半数)を渡してしまうと、経営の方針(どんなケーキを作るかなど)を決める時、お姉さんの意見が絶対になってしまうからです。
「自分の店」として経営するためには、半分以上は自分で持っておく必要があるんですね。
4. 価値が上がるとはどういうこと?(需要と供給)
さて、ケーキ屋さんは大繁盛!
その噂を聞きつけた「いとこの叔母さん」が登場します。
「私もそのお店の株が欲しいわ!」
お姉さんは当初100万円で株を買いました。でも叔母さんは「200万円出すから譲って!」と言っています。
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これが**「株価が上がる」**という現象です。
- 需要(欲しい人):叔母さんが「高くても欲しい!」と言う。
- 供給(売る人):お姉さんは「200万円なら売ってもいいかな」と思う。
二人の条件が一致して、株の値段(時価)が決まります。
お姉さんは100万円で買ったものが200万円で売れたので、**100万円の儲け(キャピタルゲイン)**が出ましたね!
5. もっと大きくしたいから「上場」する
お店はもっともっと人気が出て、2号店を出したり全国展開したくなりました。
でも、知り合いだけでは資金が集まりきりません...。
そこで!
「日本中、世界中の人から資金を集められるように、株式をオープンな場所に公開しよう!」
これが**「上場(じょうじょう)」**です。
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上場すると、誰でも参加できる巨大な広場(株式市場)に株が置かれ、全く知らない人同士が自由に売り買いできるようになります。
6. リスクを減らす「投資信託」(グルメ福袋)
ここまでは「私のケーキ屋さんの株」という特定の会社の株を買う話(個別株投資)でした。
でも、もしケーキ屋さんが潰れちゃったら...株はただの紙切れになってしまいます(涙)。
リスクを減らすにはどうしたらいいでしょう?
正解は**「投資信託(とうししんたく)」**です。
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これは、プロ(ファンドマネージャー)が選んだ**「絶対に流行るお店100選の詰め合わせパック(福袋)」**のようなもの。
- 私のケーキ屋さん
- 隣町のラーメン屋さん
- トヨタ
- Apple
いろんな会社の株が少しずつ入っています。
これなら、もし1つのお店がダメになっても、他のお店が頑張ってくれれば全体としては大丈夫。これを**「分散投資」**と言います。
7. 税金がかからない魔法の箱「NISA」
投資信託で儲かったとします。通常は、儲けの約20%を税金として持ってかれます...(10万円儲かったら2万円!)。
そこで登場するのが、国の制度**「NISA(ニーサ)」**です。
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NISAは**「魔法の宝箱」**です。
この箱の中に「グルメ福袋(投資信託)」を入れておけば、どれだけ儲かっても税金はゼロ! まるまる自分のものになります。
「つみたてNISA」というのは、この魔法の宝箱を使って、毎月コツコツ福袋を買い足していく方法なんですね。
8. 最後に:何を買えばいいの?
「じゃあ、結局どの株を買えばいいの?」
迷ったら、**「自分が応援したいと思える会社」**を選んでみてください。
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業績が良いことも大事ですが、
「この会社の商品が好き!」
「もっと世の中に広まってほしい!」
そんな「推し」の気持ちで株を買うことは、お姉さんがケーキ屋さんにお金を出してくれた最初の気持ちと同じです。
普段使っている商品、好きなサービス...そんな身近なところから、未来のパートナー(投資先)を探してみてくださいね。